2012年10月26日
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東京都美術館・群龍割拠 猫とドラゴン展

Written By: 川俣 晶連絡先

「今週は死にそうなのだ。半端ない用事が毎日入っている」

「えー。毎日かよ」

「だから足が痛んでしまって、ひどい状況だよ」

「なのに、なぜ上野まで行った?」

「理由は以下の通り」

  • 上野の東京都美術館は行ったことがなかった。1回ぐらいは行きたかった
  • 群龍割拠 猫とドラゴン展というものを今ならやっている
  • 実は、そこそこ近くまで行く用事があった
  • 他に行ける日はない

「足の痛みを踏まえても今日行く必然性があったわけだね」

「うむ」

東京都美術館・群龍割拠 猫とドラゴン展

感想 §

「猫と龍の絵や造形物が並んでいたわけだが、けっこう面白かったぞ」

「どのへんが?」

「ポップカルチャーとアートの中間領域というのかな。アート寄りの作品もあれば、コミックの延長線にあるような作品もある」

「つまり?」

「カオスだな。普通の美術展とは少し傾向が違うが、離れすぎているわけでも無い」

感想その2 §

「もうちょっと何かないか?」

「面白い作品とつまらない作品の落差が激しいと言う感想は持った」

「なぜなの?」

「おそらく、龍という題材が弱すぎる」

「なぜ?」

「実在しないから、ある程度『これが龍ですよ』という記号性から逸脱できない部分があって、表現が凡庸になりやすいのではなかろうか」

「描いた本人は凡庸でもいいの?」

「昔見たような雰囲気、というのは年寄りの感想かも知れない。若い人は新鮮に見えるのかも知れない」

「それはまた微妙な感想だ」

「ははは」

「猫ならいいの?」

「猫は実在なのでもっと思い切った表現が出来そうな気がする」